心拍数変動(HRV)は自律神経活動の指標とされており,疾患の重篤化や罹患リスク,ストレス評価などの用途に用いられている.我々はこれまで,専門知識がなくとも簡便に精度よく継続的にHRV計測を行えるテレメータとスマートフォンからなるウェアラブルシステムを開発した.心電図の振幅は個人差や計測部位に依存するが,テレメータはその増幅率を自動調整する機構を備え,HRVの算出根拠であるR-R間隔を無線送信する.スマートフォンでは受信したデータからHRV指標を導出し多変量統計解析により異常値検出を行う.本発表では,このシステムの計測精度や信頼性に加え,てんかん発作の兆候検知や,居眠り運転の検知への応用について実証実験の結果を述べる.