治験開始時や臨床試験実施時において、医薬品の非臨床安全性試験パッケージの充足性や試験結果の解釈などについて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談をすることがある。PMDAからは、試験結果の解釈やヒトにおける毒性学的意義について製造販売承認申請時に照会をされることがある。これらの相談や照会事項対応はタイトなスケジュールで実施されるため、企業開発者とPMDAの審査員が直接対話する機会が限られており、安全性評価について企業と審査側で双方が合意に達するまでに必要以上に時間を要するケースもある。このことは、効率的な医薬品開発へ向けての支障となるケースもある。今回、これまでの医薬品開発で、PMDAとの相談や照会事項での対応において意見の隔たりがあったことなどについて製薬企業にアンケートを行い、23社から回答を得た。アンケート結果では、ガイドラインなど規制に関する海外と日本との考え方の違いなどが挙げられていた。
本発表では上記を含むアンケート調査結果を紹介するとともに、見えてきた課題について分析することで、今後のPMDAとの意見交換をより実りあるものにするための方法を議論したい。