日本毒性学会学術年会
第48回日本毒性学会学術年会
セッションID: W4-4
会議情報

ワークショップ4
仮想医薬品の非臨床安全性に対するPMDAの考え方
*西村 次平
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 医薬品の開発過程で実施される対面助言では、相談事項に対する不明な点や実施予定の臨床試験における対象患者の安全性の確保に係る相談者の考えをより詳細に確認するために、照会事項が発出され、相談資料、得られた回答等を踏まえ、相談事項に対する機構意見が発出される。また、医薬品の製造販売承認申請(承認申請)では、提出された承認申請資料を踏まえ、認められた毒性の解釈を含めた毒性評価の適切性並びにヒトにおける安全性及びリスク評価等に係る不明な点等に対する照会事項が発出され、申請者の考えを明確にした上で、最終的に審査報告書において機構の考えが提示される。また、これら審査内容を踏まえて、医薬品の適正使用に際し注意すべき事項、注意喚起の内容が添付文書等に反映される。こうした医薬品開発者と機構の間で行われるやり取りについては、限られた時間内で行われることから、医薬品開発者と機構の間で十分に意思疎通が行われないケースや、機構の考えの意図が十分に伝わらないケース等がある。こうした背景には、医薬品開発者と機構との間に存在する考え方、解釈の違い等のギャップが原因となることがある。

 本発表では、上記のギャップを埋めるべく、医薬品開発者側の疑問点について、仮想医薬品、事前に実施されたアンケートの結果等を題材として、機構の考え、付随するガイドラインの解釈等について概説する。本発表を通して、医薬品開発者と機構との間に存在するギャップを埋めるための一助としたい。

著者関連情報
© 2021 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top