日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: S45-1
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シンポジウム45
ICH E14/S7B Q&Aに向けたin vitro評価戦略
*吉永 貴志
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抄録

ICH S7B及びE14ガイドラインのQ&Aがワーキンググループ(ICH E14/S7B IWG)の活動のもと最終化された。ICH S7Bガイドラインで概説されているように、in vitro IKr/hERGアッセイは、ヒトへの初回投与前に実施する再分極遅延とQT間隔延長のリスクを評価する上で重要な役割を果たす。さらに、マルチイオンチャネルアッセイ及びヒト心筋細胞アッセイは、フォローアップ試験として、QT間隔延長評価において重要な役割を果たす可能性がある。非臨床のin vitroアッセイは、臨床QTデータが利用可能な場合、開発後期段階における統合リスク評価にも貢献しうる。特に、ダブルネガティブ(in vitro IKr/hERG及びin vivo QTアッセイ)という非臨床結果は、TdPリスクをより正確に決定するための臨床の意思決定に使用し得る。非臨床試験において、心筋のイオン電流に対する薬物効果の効力に影響を与えるいくつかの要因が知られている。例えば、特定のイオン電流を誘発するために使用される電圧プロトコル、測定条件、データ採用のクライテリア及び採用されたデータの解析方法などが含まれる。従って、in vitro試験結果の再現性及び臨床所見へのトランスレーションを強化するために、いくつかの推奨されるベストプラクティスが提供されている。本発表では、ケーススタディの例を示しながらin vitroのベストプラクティスと統合リスク評価について紹介する。

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