日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: O2-16
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一般演題 口演 4
カネミ油症と継世代エピジェネティック遺伝
*澁谷 徹堀谷 幸治藤野 糺
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抄録

1968年に発生した「カネミ油症」は、国内最大の食品公害で、カネミ油を摂取した当該世代に未だに大きな禍根を残している。その原因は、防臭過程で加熱されたPCBが猛毒のpolychlorinated dibenzofurans (PCDFs)に変化し、米ぬか油に混入したことであった。これによる患者はおよそ15,000人程度であったと考えられている。近年、その第二および第三世代においても同様の疾患が高頻度で発症していることが確認され始め、「全国油症治療研究班」においても、その世代間継承調査が開始されている。私たちは、「カネミ油症」の世代間継承には、継世代エピジェネティック遺伝:TEIが関与しているとの仮説を立て、独自に解析研究を開始した。TEIとは、原因物質にばく露されていない世代においても、何らかの毒性作用が認められる現象で、生殖細胞におけるエピジェネティックな修飾の伝達がその原因であるものと考えられている。私たちは「カネミ油症」の中でも特異的な疾患に関して家系解析を開始しており、将来的にはこれらの方々からの細胞におけるエピジェネティック解析を予定している。これまでに毒性事象の多くが種々の環境因子による、エピジェネティクスかく乱によって誘発されていることが知られている。私達は、今後毒性学において、「エピジェネティック毒性学」を確立することを提唱したい。

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