主催: 日本毒性学会
会議名: 第50回日本毒性学会学術年会
開催日: 2023/06/19 - 2023/06/21
医療用医薬品の添加剤は薬理作用のない用量で有効成分の有用性を高める成分としてなくてはならないが、安全性には特に注意が必要である。また、新添加剤は単独ではなく、有効成分とともに承認される。そのため承認用法での医薬品に含まれる添加剤の一日摂取量は無害な使用前例(最大使用量)となり、新たな有効成分でも治療効果を妨げない限り、同じ投与経路における添加量で製剤に用いることができる。日本における添加剤の使用前例は成人を想定したもので、小児では成人と比べて発達途中の器官への影響や特異性、選択性などが知られるが、小児投与において使用前例は明らかでない。成人で使用前例があっても小児の使用前例が明らかでない新添加剤おいて、ICH-S11ガイドライン(小児用医薬品開発の非臨床試験)では、幼若動物を用いた反復投与毒性試験成績が求められる可能性がある。
今回、小児集団への安全性情報として、小児適用(新生児、乳幼児、児童、青少年を含む)医薬品における添加剤の使用前例調査を行った。対象は医療用医薬品の添付文書並びに新医薬品審査報告書などの組成及び用法とした。その結果を小児に適用した添加剤の使用前例を一覧としてまとめたので報告する。