日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: S12-3
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シンポジウム12: 法中毒学の教育・研究における新たな潮流と毒性学との連携
国における死因究明等施策の推進について
*山本 英紀
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抄録

 近年の高齢化の進展に伴う死亡数の増加や、新型コロナウイルス感染症を始めとする新興感染症の脅威、大規模災害の発生リスク等を背景に、国民が安全で安心して暮らせる社会、そして、生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会を実現する観点から、亡くなられた方の死因究明及び身元確認(以下「死因究明等」という。)の重要性はますます高まっている。

 死因究明等に関する施策については、平成24年に制定された「死因究明等の推進に関する法律」(2年間の時限立法。以下「推進法」という。)に基づき、平成26年に「死因究明等推進計画」を策定するとともに、公衆衛生の向上・増進等を目的とした解剖や死亡時画像診断に対する補助制度の確立、都道府県警察の検視官の現場臨場率の向上、大学における死因究明等に関する教育・研究拠点の整備といった成果を挙げてきた。

 推進法は平成26年に失効したが、死因究明等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための恒久法の制定が求められ、令和元年には推進法の後継法となる「死因究明等推進基本法」が制定された。同法に基づき、令和2年4月に厚生労働省に死因究明等推進本部を置くとともに、令和3年6月に新たな「死因究明等推進計画」を策定し、政府全体で死因究明等に関する各種施策を推進している。

 本講演では、死因究明等推進計画に基づく施策の進捗状況及び国における今後の死因究明等関連施策の方向性について紹介をすることにより、相互の取組促進をより一層進める。

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