日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: S27-2
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シンポジウム27: がん原性試験の新しい枠組み~WoEアプローチの実装
本邦でのICH S1B(R1)ガイドラインの実装について
*西村 次平笛木 修小川 久美子西川 秋佳
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抄録

ICH S1(R1)専門家作業部会(EWG)では、医薬品開発資源の有効活用と実験動物愛護に資するべく、証拠の重み付け(WoE)評価に基づく統合的アプローチによるがん原性評価の新たな枠組みを提示すること等について検討を続けてきた。この度、WoE評価に基づき長期ラットがん原性試験の実施を免除可能な場合があるとの結論に至り、2022年8月4日にICH S1Bガイドラインの補遺(ICH S1B(R1)ガイドライン)がICH公式ホームページに公開され、Step 4に到達した。今般、本邦でも、ICH S1B(R1)ガイドラインの改定内容を含む「医薬品のがん原性試験に関するガイドラインの改正について」(薬生審査発第1号)が2023年3月10日に発出されStep 5に到達した。一方で、機構は、本邦でのICH S1B(R1)ガイドラインの実装に係る作業と並行して、ICH S1B(R1)ガイドラインに基づきがん原性試験の免除の可否を議論するための相談枠の新設について検討を重ね、上記の改定されたがん原性ガイドラインの発出と同じ日の2023年3月10日に、対面助言実施要綱を改正し、「医薬品安全性相談(ICH S1B(R1)ガイドラインに係る相談)」を新設した。本講演では、本邦において新設された医薬品安全性相談(ICH S1B(R1)ガイドラインに係る相談)の概要を説明するとともに、WoE評価に基づく統合的アプローチを用いたがん原性評価の留意事項について、審査側の視点を述べたい。

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© 2023 日本毒性学会
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