日本毒性学会学術年会
第51回日本毒性学会学術年会
セッションID: S7-5
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シンポジウム7: 環境要因によるエピジェネティック制御
ヒトの早期環境要因とエピゲノム変化の関連
*河合 智子春日 義史鹿嶋 晃平谷口 公介中林 一彦秦 健一郎
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抄録

子宮内環境も含む生涯の早期の環境因子が、幼児期あるいは成人期の疾患発症と関連していることを示した疫学的結果が、何百万人を対象とした解析から得られている。そのメカニズムとして環境によるエピゲノム変化の関与が示唆されている。Gluckman博士とHanson博士によって、この概念はDevelopmental Origins of Health and Disease (DOHaD)仮説として提唱され、広く認識されている。DOHaD仮説を証明する研究はヒトではまさにオンゴーイングである。DNAメチル化はエピゲノムの中でも、過去と未来の影響を同時に評価する指標として有用な分子生物学的指標であり、多くの前向きコホート研究で様々な環境要因とDNAメチル化変化との関連が報告されている。我々も、日本人を対象に、妊娠合併症など子宮内環境が児に及ぼす影響についてDNAメチル化変化を指標に解析をおこなってきた。これらの結果を紹介するとともに、早期の環境が後の疾患発症につながるメカニズムについて考察し、本シンポジウムの議論につなげたい。

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