抄録
【はじめに】
当院ではウォークイン患者に緊急度判定支援システムを使用しトリアージレベルを5段階で評価している。今回トリアージレベル4(以下低緊急)と判定した患者のうち入院に至った症例を調査し、緊急度判定について考察したので報告する。
【方法】
平成26年4月~9月までウォークイン患者4690名のトリアージシートのデータを基に一ヶ月のレベル別平均受診患者率と入院率を調査した。
【結果】
低緊急と判定し入院した患者の見た目の印象は「普通」77%、「まあまあ良い」21%、「あまり良くない」8%。またトリアージ理由は「症状」79%、「第一印象」11%、「疼痛スケール」5%だった。
検査結果から「CT・XP異常」50%、「採血・検尿の異常」39%の割合で入院していた。その検査結果と18項目に分類した患者の主訴を分析すると、CT・XP異常がある患者の主訴は「整形」34%、「消化器」30%、「神経」8%、採血・検尿異常は「一般」37%、「消化器」35%だった。
低緊急と判定した患者の入院率は紹介受診患者36%、直接救急を受診する患者6%だった。
【考察】
低緊急と判定した患者の中には、重症度の高い患者も存在すると考える。そのキーワードに、トリアージ理由は「症状」、主訴は「一般」「消化器」来院方法は「紹介」などがあり、低緊急と判定しても診察後の検査結果から入院に至る場合もある。低緊急と判定後も緊急度や重症度が高くなる可能性も考慮し、時間を意識した診療補助が大切である。現在、看護師や他職種間での情報共有や業務分担など患者に応じた連携を進めており、適切な診療時間の調整や迅速な検査の実施を強化していきたい。