抄録
【はじめに】
令和6年1月1日に発生した能登半島地震は、元日の発生という特殊な状況であったこともあり、日常の訓練とは全く異なる初期対応を迫られた。また、その後も当院は隣県に位置する基幹災害拠点病院としての役割を踏まえて、対応をしてきた。今回、当院の能登半島地震への対応を総括する。
【対応】
元日は、当院の救急医の大多数が富山市外に居る という状況の中、初期対応は困難を極めたが、数少ない職員で初期対応を行った。災害対策本部を立ち上げ、EMISの入力などを行い、連絡体制を構築した。
その後はDMATや富山空港SCU(Staging Care Unit)への人員確保をはじめ、病院として多数傷病者受け入れは断らない方針を立てた上で人員とベッドを調整した。結果、被災地から様々な搬送手段を用いて、32名を受け入れた。
富山県ドクターヘリや富山県防災ヘリによる搬送受け入れも行ったが、当院のヘリポートとしては、他県のドクターヘリ駐機場として活用したり、また他県防災ヘリによる受け入れを行うなど、ドクターヘリ基地病院ではない基幹災害拠点病院であるという利点を生かして、災害時の航空医療拠点としてヘリポートを活用することが出来た。
【結語】
富山大学附属病院の能登半島地震の対応について報告した。