運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
報告論文
仮想的市場評価法を用いた鉄道駅改良による非市場財的便益の計測
-駅・まち一体改善事業による整備駅を対象として-
金子 雄一郎小林 啓輝
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2012 年 15 巻 3 号 p. 040-047

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抄録

本研究は仮想的市場評価法(CVM:Contingent Valuation Method)を用いて,鉄道駅の改良による安全性や快適性の向上などの非市場財的便益を計測したものである.具体的には,近年,駅・まち一体改善事業によって整備された3つの駅の利用者を対象にアンケート調査を実施し,駅改良による種々の効果に関する認識,改良に対する支払意思額とその項目別内訳などを把握した.その結果,利用者は多様な効果を認識していること,駅改良に対する支払意思額(追加負担)は片道1回当たり6.88円~8.13円であり,そのうち安全性や快適性の向上の割合は35%~56%と比較的高い割合であることが分かった.これらの結果を基に3つの駅の非市場財的便益を計測した結果,評価期間30年の場合で168百万円~365百万円となることが示された.

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© 2012 一般財団法人運輸総合研究所
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