運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
15 巻 , 3 号
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政策研究論文
  • 鈴木 章悦, 日比野 直彦, 森地 茂
    2012 年 15 巻 3 号 p. 002-009
    発行日: 2012/10/22
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    東京都心部における容積率規制緩和に伴う開発により,当該地区の従業人口が急速に増加することが予測されている.この通勤旅客の集中と,鉄道駅の現状の施設容量および整備速度の不整合が,混雑,安全面,定時性など様々な点で大きな問題となることが考えられる.本研究は,都市開発に対応した適切な鉄道駅整備がなされるために,今後,混雑が問題となる駅および箇所を定量的に算出することを目的としたものである.分析結果より,①各鉄道事業者の設計容量の基準には差があり,必ずしも高くないこと,②現時点においても設計容量を上回る施設が多数あること,③施設許容量および待ち行列が解消するまでの時間と流動量の関係から対応すべき箇所があることを明らかにしている.

学術研究論文
  • 村上 英樹
    2012 年 15 巻 3 号 p. 010-017
    発行日: 2012/10/22
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    本稿は米国内LCC市場の発展段階である1998年のデータを用いて,LCCとFSCの競争形態を,参入企業数ごと,並びに参入形態ごとに推測的変動を用いて分析した.これによると,参入企業数と市場シェアに拘らずクールノー型競争が数多く観察されることが判明した.また,LCCが基幹空港に参入する場合と第2空港に参入する場合とでは,競争形態が異なり,棲分けた場合LCC・FSC共に相手の競争の程度を楽観視する.しかし全般的にFSCはLCCの競争行動を警戒する傾向がある.政策インプリケーションとしては,産業全体を持続させるのであれば,LCCとFSCを棲み分けさせ,また経済厚生の増大を追及するのであれば,LCCを基幹空港に参入させることが施策として考えられる.

報告論文
  • 横田 茂
    2012 年 15 巻 3 号 p. 018-028
    発行日: 2012/10/22
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    近年,都市鉄道の政策課題としては,これまでの「量的整備(輸送力増強)」に加え,「質的整備(利便性向上)」の重要性も指摘されるようになり,また,再開発等による都市構造の変化によって生じる新たな問題も発生している.本研究では,これらの政策課題の解決に向けて,都市鉄道等利便増進法に注目し,同法の活用促進に向けた研究を行った.具体的には,同法の適用事業の関係者(地方自治体,整備主体,営業主体)に対するヒアリング調査結果から得られた意見を踏まえて,制度全般の視点ならびに各関係者の視点から,制度の使いやすさを向上させるための課題を整理した上で,それらの課題解決に向けた検討ならびに提言を行った.

  • 楠木 行雄
    2012 年 15 巻 3 号 p. 029-039
    発行日: 2012/10/22
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    整備新幹線建設の財源は,国費,地方費及び鉄道運輸機構財源であるが,法改正による措置を踏まえて,新規区間の着工方針の決定に際し,機構財源が既設新幹線売却収入からJR への貸付料に切り替わる.しかし,約3兆円の建設費を賄うため,財源を細く長く使うので,建設期間が長期化し,批判が出ている.また,貸付料から拠出する貨物調整金に肥大化の恐れもある.そこで,並行在来線対策として貨物調整金が生まれた経緯を分析し,貸付料を減少させない方策を提案する.また,新しい建設財源を求める動きにも備えるため,貸付料の期間の延長,機構の財政的余裕の活用,貸付期間終了後の新幹線施設の売却など新しい財源対策を提案する.

  • 金子 雄一郎, 小林 啓輝
    2012 年 15 巻 3 号 p. 040-047
    発行日: 2012/10/22
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    本研究は仮想的市場評価法(CVM:Contingent Valuation Method)を用いて,鉄道駅の改良による安全性や快適性の向上などの非市場財的便益を計測したものである.具体的には,近年,駅・まち一体改善事業によって整備された3つの駅の利用者を対象にアンケート調査を実施し,駅改良による種々の効果に関する認識,改良に対する支払意思額とその項目別内訳などを把握した.その結果,利用者は多様な効果を認識していること,駅改良に対する支払意思額(追加負担)は片道1回当たり6.88円~8.13円であり,そのうち安全性や快適性の向上の割合は35%~56%と比較的高い割合であることが分かった.これらの結果を基に3つの駅の非市場財的便益を計測した結果,評価期間30年の場合で168百万円~365百万円となることが示された.

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