2013 年 15 巻 4 号 p. 041-049
本論文は,アジア地域を対象とした国際旅行流動についてUNWTO データを用いて分析をしたものである.はじめにアジア諸国における居住国・国籍による国外旅行OD データの整備を行い,国外旅行者数の特性を明らかにしている.さらに,到着国・地域の相対的魅力度と2地域間の交通抵抗を考慮したハフモデルによって流動量が表現可能と仮定し,目的地選択率実績値と推定値との誤差二乗和最小化によって国ごとの相対的魅力度を推定した.推定された相対的魅力度による国・地域間の相対的な大小関係,トレンドの把握に加え,経済危機による事象と相対的魅力度との関係性把握,到着国・地域のポジショニングを明らかにできた.