公共工事コスト縮減に関する新行動計画/指針が政府により打ち出され,縮減率30%という具体的な数値目標も提示された.しかし,コストだけを目標または評価対象とすることはミスリーディングであり,第一に,既に行政主体において定着しつつある費用便益分析との整合性から見て問題があり,第二に,具体的にコストの縮減率を算定する際の手法の客観性に問題がある.本稿は,新行動計画を技術改善と捉えた上で,簡単な一般均衡モデルを用いてその経済評価に関するフレームを示す.その中でコスト縮減率によって評価することが妥当性をもつ場合の前提条件について明らかにしている.