繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
精紡機のラージパツケージに関する研究
古賀 四郎渡村 嘉治土岐 忠
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1951 年 4 巻 8 号 p. 435-440

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抄録
研究目的
ラージパツケージの経済性は非常に大きい。然しパツケージの大きさを決めるには、机上の計算のほかに実際の機械についての試瞼が必要である。実地試瞼の結果と1, 2の改善策について述べる。
研究結果
1.リフトのみを51/2″から7″に増加すれば、管糸の捲糸量は41%増加する。動力は32%増し、糸切れは17.9本から25.3本に増加する。1梱当り0.43入の減少となる。糸切れが増加しなければ1梱当り1入の減少となる。
2. リングの直径のみ11/2″から15/8″に増大すればスピンドルの回転数12000r.p.m.以内では糸切れは大差ない。捲糸量は20%増加し、動力は10%増し、梱当り人員は0.6人減る。
3. リフトとリングを共に増大した場合は、51/2″リフト13/4″リングに比して7″リフト2″リングでは捲糸量が91%増加し、梱当り人員は17%減少する。
4. ラージパツケージで糸切れを増さないためには、紡出張力に畄意しなければならぬ。スピンドルの回転数13000r.p.m.及び13400r.p.m) n.の場合の糸切れ数は、12500r.p.m.の場合の糸切れ数の夫々2 .3倍及び4.2倍となる。
5. ラージパッケージを実施するにはセパレーターの形状を変更しなければならぬ。
6. ハートカムの形状は糸切れに関係がある。
7. 動力の増加がラージパツケージの経済性に大きな影響を有つから、ローラベヤリングスピンドルの必要が.感ぜられる。
8. 所要動力はリングレールが下部にある時最大で上部にある時最小である。これは捲付け動力に起因する。
9. ラージパツケージの経済性を左右する要素は、賃金、動力費、糸切れ. (原料) 、及び生産高であつて、国情と経済情勢によつて変る。
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© 社団法人日本繊維機械学会
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