繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
コップ チェンジ用木管のリングについて (第2報)
都築 正之田中 義信上村 喜雄林 寿信
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 9 巻 6 号 p. 386-392

詳細
抄録

研究目的コップチェンジ用木管のリング寸法の適正値を求めるため, その変形過程を理論的並びに実験的に考察し, あわせて, リング設計の資料をうることを目的とする.研究結果リングをコップチェンジ用木管にはめこむ時の塑弾性変形を, 材料の加工硬化を考慮に入れて解析れ, リング設計の基礎資料を得, その適否判定の方法を明らかにした.すなわち木管径D1, 切欠部におけるリング外径D2が指定された時, 次の手続により, 容易に適正リング (切欠部にはまり, 多少の締付力をもっリング) を求めることができる. (1) 次のリングの諸元を指定する.r0=リング半径, d=針金半径, E=弾性係数, γ=加工硬化比, σY=降伏点応力 (耐力) (2) 次式よりmcを求める.mc=σYr20/Ecd, ここで c=r-r0, r=D1/2+d(3) 第8図mc-γ-ΔDc'/c曲線より, 上のγ, mcに対するΔDc'minを求める. (4) 一方ΔDc'minは条件 (42) を満足しなければならない.かくして, (1) に仮定されたリングの諸元が (4) の条件を満足すればリングは適正である.ΔDc'minは一度円筒 (木管) におしはめ.抜きとった後のリングの切れ目方向直径の永久歪による増大量を意味し, その理論値と実験値は極めてよく一致した.終りに上述の方法によりJIS規格のリング (2d=2.9mm) を検討し, その針金径を細くすべきことを指摘した.

著者関連情報
© 社団法人日本繊維機械学会
前の記事 次の記事
feedback
Top