1984 年 37 巻 2 号 p. T19-T29
目的 不織布を紙に類似の材料として取扱い, 一定ひずみ速度で一軸および二軸伸長試験して, 力学的性質, 特にタフネスについて, 単純一軸変形様式と2つの基本的な二軸変形様式とを対比しながら評価検討する.また, 一軸伸長試験結果と二軸伸長試験結果の相関関係から, 二軸伸長時のタフネスを推定する方法を提案する.成果 不織布の二軸伸長においては, 単純一軸伸長よりも強伸度およびタフネスが極端に低くなり, みかけの初期弾性率がかなり高くなることがわかった.また, 提案した関係式から, 測定容易な単純一軸伸長試験結果によって, 2種の二軸伸長試験結果を推定することができ, 実用上有用であると思われる.