繊維機械学会誌
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分岐合流部における高分子溶液の2次元粘弾性流れ
(第2報) T形流路での分岐および閉塞流れ
西村 太良中村 喜代次堀川 明
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1984 年 37 巻 2 号 p. T9-T18

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抄録

目的 対称なT形分岐流れ, 非対称なT形分岐流れ, 1流路が閉じた閉塞T形流路でのL形流れ, 逆L形流れおよび真っ直ぐな流れの5種類について, 粘弾性流体の流れの特徴をニュートン流体と比較して検討する.粘弾性流体には高分子溶液を用いて流れを可視化した.さらにマックスウェル型の構成式を用いて差分法により数値計算し, 実験結果と比較検討した.結果 粘弾性流体の対称な分岐流れでは, 合流流れで観察されたように分岐部の凸状角部の上流側に循環流れが生じ, また分岐部において流れがニュートン流体と比べて急激に曲がることがわかった.非対称な分岐流れでは対称な分岐流れの場合より, より速い流速で同じく凸状角部の上流側に循環流れが生じた.閉塞流路の流れでは, L形流れや逆L形流れにおいて, 曲がりの内側の凸状角部の上流側に循環流れが生じ, L形流れと真っ直ぐな流れでは, 閉塞流路への流れの急激な膨らみが観察された.また逆L形流れや真っ直ぐな流れでは流速が速くなるにつれて閉塞流路への膨らみが小さくなった.数値計算の結果は, 閉塞流路への急激な膨らみが現われないことを除いて実験結果と傾向がほぼ一致した.

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