目的 かぎ針編地の代表である細編地で生じるカール現象について, その原因と考えられる弾性回復トルクに関する定量的知見を得る.
成果 編地のカールは編むという基本操作時の糸の張力に比例する.この原因は, 糸の張力が大きいほど編地の基本ループが短くなり, 単位長さ当たりの弾性回復トルクが増大するからである.また, 編地のカールはかぎ針の太さに逆比例する.この原因は, 針の太さが大きいほど編地の基本ループが長くなり, 単位長さ当たりの弾性回復トルクが減少するからである.前報で提案した, かぎ針編地の基本操作に関する理論の正当性が証明された. (平成4年11月9日受理) (平成5年11月2日審査終了)