1994 年 47 巻 1 号 p. T7-T15
目的 毛織物色差検査に従事する専門家の色差判断基準領域を, 視覚判定評価と測色色差との関係より明らかにする.成果 専門家の知覚色差△EpとCIELAB色差式による色差値△E*'abとの相関係数は極めて高く, 専門家が現実に行っている織物色差評価と色差値△E*abとの合致する確率は高い.このような長期の学習効果を持つ専門家の色差判断基準領域は, マッカムダムが与えた識別領域よりも狭い領域で確立されていることが判明した.さらにCIELAB上の色弁別領域の近似楕円を用いて, 色差判定境界を定め, 色差判定に応用する方法を示した.