トランスパーソナル心理学/精神医学
Online ISSN : 2434-463X
Print ISSN : 1345-4501
「スピリチュアリティの哲学者」としてのベルクソン
林 貴啓
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 8 巻 1 号 p. 70-76

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抄録
本論考は、『物質と記憶』『創造的進化』などで知られるH. ベ ルクソンを「スピリチュアリティの哲学者」として再評価するこ とを目的とする。スピリチュアリティの立場の妨げの一つは、そ の志向が現代社会で支配的な世界観―機械論的世界観、自然科学 的実証主義―と衝突することである。ベルクソンの創造的持続の 哲学は、こうした近代主義的世界観を乗り越える道を今なお示唆 しうる。さらに分析的知性・言語とは別のしかたで創造的なリア リティに触れる「直観」という道を示した認識論は、決して反知 性主義ではなく、既存の知の枠組みを打破し、より高次なリアリ ティを開示するものであり、確かな方法論に裏打ちされている。
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© 2008 日本トランスパーソナル心理学・精神医学会

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