高応力コイルばねの応力と疲れ特性
1986 年 1986 巻 31 号 p. 54-61
詳細
1986 年 1986 巻 31 号 p. 54-61
最近, 円筒コイルばねは高応力化に伴ってコイルの外径側を起点として折損したり, 疲れ寿命が従来仕様のばねに比べ短いなどの現象が現れている. これは, 高応力仕様のばねでは従来仕様のばねに比べピッチ角も大きく, ワールの式での対応が困難になってきたことを意味している.
そこで, 本報では従来仕様のばねでは無視できたピッチ角を考慮して円筒コイルばねの解析を行い, ばね仕様と応力値との関係を明確にするとともに, 高応力化に伴い外径側の最大主応力が内径側より大きくなって行くことを示した. また, 最大主応力でS-N線図を評価すれば, 高応力仕様のばねの疲れ寿命も従来仕様のばねの疲れ試験結果から推定が可能であることを示した.
