芝草研究
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寒地型芝草の生育に与える雑草防除条件の影響*
大部 善之稲葉 孝己冲中 健
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1984 年 13 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

寒地型芝草は, 夏季の高温時に生育が緩慢となり, 雑草に駆逐されやすい難点をもつため, 雑草防除が極めて重要なものになってくる。
本研究では, 雑草防除条件が寒地型芝草の生育に及ぼす影響を把握することを目的とした。実験区として, 人の手による除草区 (H.P.区) , 除草剤散布による除草区 (HERB区) , そして, 無処理区の合計3処理区を設定した。
実験結果を要約すると以下のとおりである。
1) H.P.区において, 芝草の被度は9月上旬には約54%にまで減少したが, 再び増加傾向を示し, 10月中旬には約94%まで回復した。
2) HERB区と無処理区の両方とも, 芝草の被度の変動は雑草の被度変化に密接に関連していた。
3) ペレニアル・ライグラスの茎密度は, 全処理区とも8月下旬まで減少し, H.P.区はその後回復する傾向を示し芝草の被度の増加に関連すると考えられた。
4) ペレニアル・ライグラスの分けつ数は, 8月下旬以降に各処理区の間に差異がみられ, H.P.区が最も大きな増加傾向を示した。

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