芝草研究
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アシュラムの芝生地における行動
(2) 選択作用性と植物体内の行動
竹松 哲夫竹内 安智米山 弘一
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1984 年 13 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

1.アシュラムの芝草に対する影響
(a) コウラィシバとギョウギシバに対する茎葉処理による影響
300gと750g (10a) のアシュラムを茎葉処理し, 20日, 40日および60日後に芝草の茎葉部刈取重量を測定したところ, コウライシバでは20日後に10~30%減少したが, 40日では0~13%, 60日後には0%の減少であった。しかし, ギョウギシバでは300g (10a) 区で20日, 40日後も40, 45%減であったがその後徐々に薬害は小さくなった。750g (10a) 区では処理後, 日数の経過とともに薬害が大きくなり芝草は著しく退化した。
(b) コウラィシバに対する根部処理の影響
300gと750g (10a) のアシュラムを根部処理し, 20日40日および60日後に芝草の茎葉部刈取重量を測定した。20日後には50~60%, 40日後には4~5%~20%減少したが, 60日後には無処理区と差がなかった。
(c) コウライシバに対する処理時期と薬害
5月中旬~6月中旬あるいは10月上旬の処理は芝草に対する影響が小さいが, 夏期の高温・多湿時には葉焼けと軽い生育抑制があり, 冬期の低温時処理は春になってから根部を通じての生育抑制がみられた。
(d) 他の除草剤がアシュラムのコウライシバ選択性におよぼす影響
ほとんどの除草剤はアシュラムのコウライシバ選択作用性に影響を与えないが, 製剤形態が乳剤のものとオーキシン型除草剤はアシュラムとの組合せでわずかながら芝草茎葉の黄化・抑制を促進した。
2.コウライシバとギョウギシバ植物体内におけるアシュラムの残留
5, 000ppmのアシュラムを茎葉処理し, 6日後, 10日後および16日後にコウライシバとギョウギシバ植物体内のアシュラムの残存量を測定した。コウライシバでは6日後に21ppmであったが, 16日後には6.3ppmまで低下した。ギョウギシバでは6日後に9.9ppmであったが, 16日後でも8.8ppmであった。

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