芝草研究
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春はげ症の病原菌に関する研究 (第2報)
春はげ症および2, 3の芝草病害から分離されるRhizoctonia sp.の人工接種による発病について
小林 堅志
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1984 年 13 巻 2 号 p. 158-168

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抄録
1.当菌場に発生する春はげ症は殺菌剤の抗菌力, 病原菌の分離状況, 病徴などから見て, Rhizoctoniaによる病害ではないかとした。
そこで, この病害から分離されるRhizoctoniaについて, 人工接種を行い病原性を確認するとともに, Rhizoctoniaによると考えられる仮称コウライシバリゾクトニア葉枯病, 仮称ベントグラス黄褐色パッチについても同時に実験を行った。
2.春はげ症から分離されるRhizoctonaa sp.はコウライシバおよびベントグラスに発病が認められた。
3.仮称コウライシバリゾクトニア葉枯病および仮称ベントグラス黄褐色パッチから分離されるRhizoctonia sp.もそれぞれの芝草に病原性が認められた。
4.以上から, 春はげ症の病名として, 日本名を, リゾクトニア春はげ病, 英名をZoysia Rhizoctonia spring dead spotと命名したい。また, 仮称コウライシバリゾクトニア葉枯病を, コウライシバリゾクトニア葉枯病 (Yellow patch) と命名したい。なお, 仮称ベントグラス黄褐色パッチについてはさらに検討を要する。
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