芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
遮光下のコウライシバの生育に与える窒素成分施肥と糖質系葉面散布剤施用および刈込みの効果について*
輿水 肇沼尻 直人
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 15 巻 1 号 p. 5-9

詳細
抄録

遮光下におけるコウライシバの管理条件を求めるため, 窒素施肥量, 糖質系葉面散布剤の施用量, 刈り込み高さを変えて生育試験を行なった。
切り採ったランナーの植え芝試験では, 全光では窒素29強/5, 000aが適量に近く, 光量が減るにしたがってこの適量は減少し, 寒冷紗1枚 (全光の70%) 被蔽では2g, 同2枚 (同45%) では2g弱, 同3枚 (同20%) では1gが妥当な施用量と考えられた。遮光下での葉面散布剤の施用効果については不明であった。
ホールカッターで切り採ったソッドの張り芝試験では, 全光では刈り高3cmがよい結果を示した。遮光下では直立茎数と葉重は刈り高4cmが高い値を示したが, 茎重と根重や刈り取り葉重で見た再生量などから, 2cm付近の刈り高が良いと判断された。
もともと粗放管理下にある公園などのコウライシバ芝生では, 樹林下や構造物陰などの遮光下では, 通常の管理水準よりも, 窒素成分の施用量を減じ, 刈り高を下げると良い結果が得られることが示唆された。

著者関連情報
© 日本芝草学会
次の記事
feedback
Top