芝草研究
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ベントグラスターフに発生するグラースポットの効率的薬剤防除
谷 利一反保 宏行上田 顕秀
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1989 年 17 巻 2 号 p. 165-168

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抄録

ベントターフに発生するダラースポットの効率的防除法を確立する一環として, 魚毒性が低く, かっ, 有効な殺菌剤を検索し, 以下の結果をえた。
(1) PDA培地上における本病病原菌 (Sclerotinia-homoeocarpa) に対する抗菌性は低魚毒性 (TLm48<10ppm) のイプロジオン, プロシミドン, ビンクロゾリンの3剤が優れており, ED50は1ppm以下であった。
(2) ベントグラスソッドを用いて接種試験を行なった結果でも, この3剤の防除効果は優れていた。
(3) ゴルフ場のベントグラスターフにおける防除試験によると, 春期の初発期ではプロシミドンとビンクロゾリンが0.25g/m2の施用で極めて有効であったが, イプロジオン (0.23g/m2) の効果はやや劣った。夏期の激発期でも前者の2剤は優れた防除効果を示した。しかし, イプロジオンは全く効果がなかった。したがって, イプロジオンは発病前または軽度発病時に有効であり, プロシミドンおよびビンクロゾリンは重度発病時でも有効であるといえよう。

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