芝草研究
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各種土壌処理型除草剤の寒地型芝草とスズメノカタビラ間の選択殺草性に関する研究
小笠原 勝竹内 安智近内 誠登
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1990 年 18 巻 2 号 p. 139-144

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抄録

各種土壌処理型除草剤の寒地型芝草とスズメノカタビラ間の選択殺草性をガラス室内ポット試験により検定した。その結果, Fig.1からFig.10に示すように, 多くの除草剤はペレニアルライグラス (Lolium perene L., 品種: マンハッタンII) やトールフェスク (Festuca arundinaceae Schro Festuca elatior var. arundtnacea., 品種: ファルコン) に比べてケンタッキーブルーグラス (Poa pratensis L., 品種: ハンツビル) においてより小さな選択殺草性を示した。また, それぞれの芝草における選択殺草性は芝草の播種前や出芽前の処理で最も小さく, 刈り込み後処理で最も大きいことが判明した。これらの選択殺草性を指標として, 土壌処理型除草剤の寒地型芝地への適用性を検討した結果, ベンスライドは1葉以上のケンタッキーブルーグラス, トールフェスクおよびペレニアルライグラスにおいて, エースフェノンおよびベンフルラリンは1葉以上に生育したトールフェスクおよびペレニアルライグラスにおいて, それぞれ発生前のスズメノカタビラ防除剤として高い適用性を有することが示唆された。

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