芝草研究
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コウライシバに2種類の病害を起こすPythium vanterpooliiのメタラキシル剤耐性化
一谷 多喜郎藤井 久美反保 宏行谷 利一
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1991 年 20 巻 1 号 p. 33-40

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抄録
「不揃症」にメタラキシル剤を3か年にわたり試験使用したところ, 本剤に耐性のPythium vanterpooliiが出現した。この耐性菌の耐性の喪失, 本剤未使用の各地のゴルフ場で分離した感性菌のin vitroにおける耐性獲得にっいて実験を行い, 以下の結果を得た。
(1) メタラキシル剤に耐性のP. vanterpooliiが出現する前のグリーンで分離した本菌は本剤に感性菌であった。
(2) メタラキシル剤を3か年試験使用したグリーンにおいて, 本剤に耐性のP. vanterpooliiを分離した。
(3) メタラキシル剤未使用の3府県下4か所のゴルフ場で分離したP. vanterpooliiは, すべて感性菌であった。
(4) 上述〔 (1) , (3) 〕のすべての感性菌は, メタラキシルの濃度を順次高めたCMA培地で14-15回の菌移植を繰り返すことにより, 耐性を獲得した。
(5) 上述〔 (2) , (4) 〕のすべての耐性菌は, メタラキシル剤無添加のCMA培地で59回の菌移植を繰り返しても, 耐性を維持していた。
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© 日本芝草学会
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