1993 年 22 巻 1 号 p. 13-20
馴致法によりメタラキシル剤に対して耐性を獲得させたP.vanterpooliiの培養的性質と病原性を元の感性菌株と比較したところ, 以下の結果が得られた。
(1) 本実験に用いたメタラキシル剤耐性菌株 (UOP393) による発病は, 温室条件下の鉢試験でメタラキシル剤により抑制されることはなかった。
(2) 菌糸の生育温度, 菌糸の生育pH, 菌そうの形状および遊走子形成の速度の差異は, 耐性菌株と元の感性菌株との間では認められなかった。
(3) Hyphal swellingsは, 耐性菌株ではより多量に形成された。卵胞子の形成は両菌株とも経時的に増加の傾向が見られた。耐性菌株の卵胞子形成量は, 感性菌株よりは少なく, かっその形成は遅れた。
(4) 病原力の差は両菌株間で顕著には認められなかった。