芝草研究
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ゴルフ場模擬グリーンにおける地下排水にともなう農薬の流出とその経年変化
酒井 隆石塚 千司島津 是之大城 和文内山 武夫廣田 秀憲
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1994 年 22 巻 2 号 p. 197-207

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抄録
前報に引き続き完全集水設備を施した試験グリーンを使用して, 地下排水量と地下排水中に含まれる流出農薬濃度の測定を行った。
その結果は以下の通りであった。
1.造成1年目と同様に造成2年目においても集中降雨量と地下排水量の間には, r=0.9301という高い相関関係が得られた。また, 造成1年目と造成2年目の両直線の傾向においては, 顕著な違いが認められず, ほぼ同じ傾きを示した。
2.造成1年目において流出動態が他の農薬と異なったacephate, chloroneb, flutoluanilの3農薬について, 造成2年目においても流出濃度の測定を行った。その結果, 造成1年目より流出濃度が高くなった農薬はflutoluanilのみで, 他の2農薬については, 地下排水中には検出されなかった。
3.造成2年目において新たに流出濃度の測定を行った農薬は, isoxathion, chlorothalonil, isopro-thiolane, trichlorfon, metalaxyl, isofenphos, thiram, tolclophosmethy1の8種類で, そのうち, もっとも高い流出濃度を示した農薬は, trichlorfonであった。次いでmetalaxyl, isoprothiolaneが高い値を示した。これに対し, その他の農薬は, 流出濃度が微量もしくは検出されなかった。
4. acephate, isoprothiolane, trichlorfon, metalaxyl, chloronebの5種類の実験では, 地下排水の採水期間中に更新作業としてエアレーション (コアリング) も行った。このうちエアレーション直後より流出濃度が高くなった農薬は, metalaxylとisoprothiolaneであった。特にisoprothiolaneは, エアレーションを行う前までは, 地下排水中に検出することさえできなかった。これに対し, その他の農薬は, エアレーション後もその流出濃度に変化は認められなかった。
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