抄録
ゴルフ場のベントグリーンから9月-12月にソッドを定期的に採取し, 希釈平板法と直接分離法とによってCurvulariaを分離した。いずれの方法でもサッチから最も高率に分離された。これらの方法で検出される菌数の月別変動のパターンは異なっていたが, 方法別に本菌の検出頻度と気象要因との相関を統計的に解析したところ, 本菌は, (1) 地上部, サッチ部では気温が高い時期に増加する, (2) 地下部では気温が低くなると増加する, (3) 地上部では降水量が少ない時期に増加すると推定された。本菌はベントグラスには病原性を示さないことになっているが, 隣接するコウライグリーンやフェアウェイへの伝染源の生息地としての役割を果たすと考えられた。