抄録
コウライシバの実験圃場で2年間にわたって気象観測および実蒸発散量の測定を行い, Makkinkの日射法の適応性を検討した結果, 以下の知見を得た。
1.実蒸発散量が大きくなるにつれてMakkink式は過小な推定値を算出する。
2.日平均気温および日平均飽差とMakkink式による推定値/実測値 (Etmk/Eta) の間には負の相関が見られた。
3.Makkink (1957) がオランダの牧草地で得た経験定数a=0.61よりも大きな経験定数a=0.77が得られた。
4.飽差および気温を考慮して様々な修正を行った結果, 気温による経験定数aの変化を考慮した修正Makkink式G (式 (13) ) が最も正確な推定値を算出することが分かった。