抄録
スズメノヒエの種子と地下茎は北関東においてはノシバやコウライシバよりも20日~30日位遅れて4月下旬~5月上旬に発芽する。
その後やや高温~高温条件下で旺盛な生育を示し, 幅広いpH, 水分に適応する多年生雑草である。芝生地では踏圧や刈取に強くしかも通常の除草剤では容易に防除され難い。スズメノヒエ種子は種皮の水の不透過性に原因する休眠を有するがこれらは湿潤, 低温条件下で打破される。スズメノヒエの発芽前に通常の土壌処理型除草剤を使用しても耐性を示すが, atrazine, triclopyr, cremart等をやや多目に施用することにより防除でさる。さらに3~4葉の幼植物に対してはatrazine, DSCP, triclopyr等の茎葉処理で抑制~枯殺できる。多年生化したスズメノヒエに対しては初期のうちatrazineを施用するか, atrazine, asulam, triclopyr, またはDSCPを施用し1週間後位に地上部の刈取を組合せることにより完全に防除が可能である。