本研究ではカップ式自動販売機における飲料生成過程の可視化を行う.カップ式自販機ではカップ(攪拌槽)に原料(溶質)と湯(溶媒)を入れ,パドルで攪拌し調理している.その中でコールド飲料は,冷水Xを加え冷却し瞬時に飲料を生成している.この過程は短時間で急激な熱変化を伴っており,消費者の味覚良し悪しとあわせ,現在その過程の定量的な評価が望まれている.今回は示温塗料水溶液を飲料に見立て攪拌を行い,その攪拌の様子を可視化することにより飲料の生成過程を明らかにすることを試みた.示温塗料は安価で,色彩も豊富であること,さらに可視化に必要な熱応答性も満たしていることから急激な熱変化にも十分対応できるものである.得られた可視化画像は攪拌の様子を明らかにするに十分な結果を得ることができた.またシミュレーション結果との比較も可能で示温塗料が短時間で急激に温度変化を行う流体での可視化方法である事の確認もできた.