可視化情報学会論文集
Online ISSN : 1346-5260
ISSN-L : 1346-5252
論文
単発型大気中超音速水噴流の固体衝突
山本 勝弘野口 太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 11 号 p. 78-85

詳細
抄録

 先細ノズルに満たされた水柱にピストンを衝突させると,容易に高速な単発型水噴流を得ることができる.本研究はそのようにして得られる流速500 m/s 級の水噴流について,大気中における噴流挙動と剛体面への衝突現象をCIP法により解析している.計算結果はカラーシュリーレン法による大気中の噴流写真と噴流衝突によって得られたアルミニューム試験の変形結果と比較している.  その結果,水噴流の衝突・崩壊現象および噴流周囲の大気中衝撃波などがうまく再現できている.そして,噴流の内部構造はノズル出口の速度変化に強く支配されること,固体面に生じる衝突圧力の最大値は噴流先端の傘の衝突による水撃圧力にほぼ等しいことが示されている.実験によると,アルミニューム試験片の変形は試験片がノズルから離れるほど大きくなるという興味深い結果が得られ,それは計算で得られる衝突圧力の最大値の傾向とよく一致することが述べられている.

著者関連情報
© 2008 by the Visualization Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top