2026 年 46 巻 8 号 p. 25-32
本研究は,生体や構造物内部に存在して外部からは直接的に可視できない不可視な領域の定量探査に関して新たな提案を行ったものである.ここでは,探査の高精度化へ向けて画像処理や3次元スペクトル解析などの方法論を展開した.すなわち,3次元スペクトル解析技法と1/𝑓n波数成分解析技法を同時に探査プロセスへ導入し,さらには移動型3次元フィルタ(モバイル3Dフィルタ)を組み込み,空間スペクトルの歪みや減衰率などから不可視な領域の空間位置・スケール・形状を同時に同定する方法論についてコンピュータシミュレーションの観点から数値的な考察を加えた.
その結果,移動型3次元フィルタを重畳させた3次元スペクトル解析技法と1/𝑓n波数成分解析技法は,様々な環境下において3次元疑似探査対象領域に内在する不可視物体や領域を同定する上で極めて有効であることが提示された.
本研究において提示した技法は,探査対象空間に含有される不可視な探査対象物の探査だけではなく,疑似通貨・紙幣(偽札)の検知あるいは偽物絵画・彫刻の検知などへも応用可能と考えている.