1993 年 17 巻 4 号 p. 17-24
立体映像視と実空間視との違いを検討するため、スクリーン位置より異なる立体距離に再生した縦格子パターンの二次元輝度コントラスト感度空間周波数特性(輝度MTF)を求めた。基準空間周波数(3cpd)、ならびに高域周波数(15、21cpd)の輝度MTFは、立体像がスクリーン位置(2m)から離れた奥行き距離(±0.5diop)範囲において有意差が見られなかった。これより、調節は、幅輳が実空問視と同様に動作するのに対して、焦点深度を越す範囲でズクリーン面に合焦することが視覚系全体の知覚レベルで確認された。実空間視との違いから、立体映像の見やすい表示法について提案された。