多眼画像や全周画像は高い冗長性をもつ。しかし、その冗長性と、物体の形状や表面の性質との関係についてはよく分かっていない。本稿では、これらの間の関係を解明すべく、両者の間に光線群という新たな表現形式を導入し、物体、光線群、画像の3つの間の関係について基礎的な検討を行った。まず最初に、離散化された光線群により空間情報を表現し、その光線を表現するために便利なパラメータ表現を導入した。さらに、物体から光線群の発生する過程、および光線群の観測である撮影過程についてのモデル化を行い、物体、光線群、撮影された画像の3つの相互関係について、光線のパラメータ表現の観点から検討した。その結果、光線群データの冗長性の解明が本質的な課題であることが分かった。