抄録
本研究では,図画工作科での描画活動において習慣的に規格サイズの画用紙が使用されている現状に着目し,作品のサイズという点から,児童と教員がそれぞれ作品及びその支持体となる画用紙のサイズについてどのように捉えているのかを実験及びアンケート調査を通して考察した。結果,本来児童はそれぞれ描く内容やモティーフ,構図意識に応じて様々なサイズの作品をイメージしていることが分かった。一方必要に応じてトリミングや継ぎ足しによる画用紙サイズの変更を意識している教員はいても,日常的に画用紙サイズを選ぶ活動を児童の描画過程に組み込んでいる者は少なく,児童にとっては与えられた枠組みの中で表現することが優先されていると推察できた。結果,それぞれ異なる作品イメージがあるにもかかわらず,与えられた画用紙サイズに合うようにイメージを変容させた描画をすることが分かった。