2021 年 53 巻 1 号 p. 209-216
本研究は,図画工作科における造形要素等の教科特性を生かしながら外国語活動との教科融合型学習を開発する試みである。CLIL(Content and Language Integrated Learning)の言語アプローチとマルチモダリティ理論を応用し,小学校6年生の外国語活動の単元「My Best Memory」『We can! 2』(文部科学省)と図画工作科教科書の「はさみと紙のハーモニー」『ゆめを広げて図画工作5・6下』(開隆堂)を参考に,My Best Memoryを絵に表す授業を開発して実践した。児童の作品とふり返りシート,学習プロセスの量的・質的な分析の結果,CLIL的アプローチは児童の主体的・対話的で深い学びを実現し,多様なモード(色,形,奥行き,構成,言語等)を駆使したコミュニケーションは児童に複合的な視点から価値や意味を創り出すことを促す効果があることが明らかになった。