本研究は小学校教員養成課程の授業実践のうち,紙粘土による教材「不思議な生き物」と小麦粉粘土による教材「お弁当,どれが美味しいかな」の活動内容,表現方法,指導法について検討し,両教材の教育的な有用性を明らかにすることを目的とした。まず,改訂教科書(開隆堂出版・日本文教出版)に掲載された粘土類を用いた活動を分析し,本研究で取り上げる紙粘土を含め,小学校段階で用いられる粘土類の材料的な特性とそれを用いた活動の特徴を明らかにすることができた。また,両教材の活動内容と表現方法,指導法を検討してから,学生の振り返りシートの分析と照らし合わせた。その結果,学生は材料と道具への理解を深めるとともに制作した作品への満足感,多様な活動への応用力,他教科との連携を構想する力,共同作業の楽しさを味わうなど,両教材の目標として設定した教育的有用性が示唆された。