美術教育学研究
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ビジュアル言語の教育的活用に関する提案
―「描く」ことの意義を再考する―
谷川 潤
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2022 年 54 巻 1 号 p. 185-192

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抄録

文字情報と図やイラストなどのグラフィック情報を組み合わせて思考や情報を伝達するものを「ビジュアル言語」と呼ぶ。本稿は,「ビジュアル言語」の学習方法や,教育現場における活用実践方法を,図画工作科/美術科の学習指導や授業準備に関する観点から提案することを目的としている。まず,数々の実践者による「ビジュアル言語」の定義を確認し,次に,米国の認知学者でありコミックアーティストでもあるNeil Cohnによる「ビジュアル言語における語彙(ビジュアル語彙)」に関する論考を中心的に紹介しつつ,実社会における「ビジュアル言語」の活用例を確認することで,教育的活用方法の考案の素地としていく。最後に,筆者自身が勤務校で実験的に始めた「ビジュアル言語」の教育的活用の事例を紹介する。「ビジュアル言語」の教育的活用についての考案を通して,図画工作科/美術科ひいては教育現場での「描く」ことの意義を再考していく。

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© 2022 大学美術教育学会
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