美術教育学研究
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造形活動における「つまずき」要因の検討
―自己評価,他者意識,身体性の関連―
伊東 一誉赤羽 尚美田代 琴美
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2022 年 54 巻 1 号 p. 33-40

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抄録

本稿は,造形活動における「つまずき」の要因とプロセスを明らかにすることで教育的支援に結び付けようとする研究の一環として,自己評価・他者意識・身体性の各視点から,「つまずき」の内容と関係性を検証しようとするものである。保育者養成校の学生92名を対象とした質問紙調査から,苦手意識に潜在する要因の検討を試みた。その結果,「工作活動の優越感」「工作活動の他者参照」「描画活動の親しみ感」「描画活動の他者参照」という4因子が抽出され,各因子得点の相関関係が確認された。工作活動と描画活動それぞれの自己評価,他者意識,身体性の困難さの分散分析では,身体性の困難さの低い群よりも高い群において,造形活動の自己評価が低いことが明らかになった。また,身体性の困難さの内容は,KJ法によって「手先の不器用さ」「触覚」「姿勢・バランス」に分類された。

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© 2022 大学美術教育学会
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