福岡教育大学
2023 年 55 巻 1 号 p. 9-16
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
柏崎栄助は,毎年決まって台風シーズンに沖縄の島々を訪れた。一年間に溜まった心身の垢を洗い流すように。自分に課した沖縄での修行のような旅を楽しそうに話した。まさに苦行のような体験であったことを没後に出版された『沖縄日記』で,より詳しく知ることとなる。そこには,遊学時のウィーン工房,ヨーゼフ・ホフマンの影響が大きい。本論文では,彼がどうして沖縄にこだわり,生きることについて考えを巡らせていたか,さらに,無駄のない究極とも言える造形力を獲得したか,について『沖縄日記』を中心に考察したい。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら