美術教育学研究
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大学間交流による展覧会づくりを学生はどのようにとらえているか
―教員養成系大学における“感覚をひらく”ことを目的とした芸術系カリキュラムの試みから―
根本 淳子手塚 千尋岩永 啓司吉川 暢子
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2025 年 57 巻 1 号 p. 185-192

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抄録

本研究では,「学びの成果を展示する展覧会をつくる」ことを共通のゴールに設定し,大学間交流の枠組みを用いたプロジェクト型アートカリキュラムを試行した。本論文では,展覧会づくりを中心とした活動は参加者にはどのように捉えられているのか,そして,参加者それぞれが得られたものは何であるのかを,参加者の経験の語りから確認した。プロジェクト参加者の振り返りインタビュー結果を,質的データ分析法のSCATを用いて分析し,ストーリー・ラインと理論記述を作成した。分析結果から,仲間との対話や作品を中心としたやり取りを重ね,それぞれが真摯に自己と向き合う様子が確認された。省察を促す取り組みの過程は,プロジェクト内容のほか,その人が持つ経験や価値観に影響を受けることも示唆され,アートを介した探究的な学習環境デザインを検討する上での重要な視点であることが確認された。

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