2023 年 15 巻 p. 67-73
放課後等デイサービスを利用しながら小学校通常学級に在籍する児童40名(8.2±1.1歳)に,JPAN 感覚処理・行為機能検査 Short Version を実施し,各検査項目の人数比と標準児の分布推定値を比較した。その結果,臨床的に重視される0-25%タイルの低値群の推定値より有意に人数が多かったのは,かっこよくまねしよう,ひこうきパート2,けがして大変,お宝さがし,クレーンゲーム,仲良くおひっこしクロスであった。以上より,対象児の神経学的特徴として,模倣や両側運動の行為機能,および抗重力姿勢や姿勢背景運動の姿勢・平衡機能,能動的な触覚探索である体性感覚機能の未熟さが確認された。これらは,体育やダンス等の活動における動作模倣や身体図式,およびリコーダーやひも結び等の両手操作,座立位の良姿勢保持,鉛筆や箸などを扱う手先の器用さの困難感に関連していると推察された。