抄録
本稿は、短期大学保育者養成課程1年生のピアノの授業(保育の表現技術Ⅰ(音楽表現))を対象に試み た、習熟度別指導の実践報告である。この授業は必修科目であり、1クラス約50名の学生に対し、8名の教 員による個別指導を実践している。履修者の習熟度は、初学者から長期間にわたって学習している者まで多 様である。以前は、各グループ内に多様な習熟度の学生が混在するグループ編成を採用していた。この編成 においては指導時間の公平性や学習者心理への影響等において課題があった。そこで本実践では、習熟度が 同程度の学生によるグループ編成を試みた。その結果、指導時間の不平等が是正され、各自の習熟度に適し た内容で指導することが可能となった。さらに、学修上の配慮を必要とする学生に対し、より適した支援を することも可能となった。