抄録
児童養護施設における入所児向けの性、暴力、生い立ちに関する心理教育プログラムによる職員の意識への効果を評価するため探索的な研究が実施された。プログラムは職員によって毎月実施され、グループスーパービジョンが行われた。施設職員27 人を対象として、プログラム実施前後に質問紙調査が実施された。その結果、「プライベートゾーンの大切さを意識した指導」、「10秒呼吸法の推奨」、「感情観察」、「自己肯定感を育む養育態度」、「力に頼らない養育態度」、「自己
抑制を教える養育態度」において、職員の意識が有意に上昇した。また、「プライベートゾーンの大切さを意識した指導」においては、経験年数5 年以下の職員において、プログラムの効果が大きいことが示された。本研究の結果から、プログラムの実施が職員の育成に役立つことが示唆された。